>東洋経済オンライン >米国への留学生数「韓国は日本の約4倍」という実態 >野口悠紀雄の意見・ >7時間・ >「いつかは海外で学びたい」――そう願う若者にとって、円安はいまや最大の壁となっています。 >学費だけでなく、住居費や生活費のすべてが、為替によって何割も重くのしかかる状況に。 >かつて貧しいながらも可能だったアメリカ留学は、今や一部の富裕層だけの特権になりつつあります。 >本記事では『日銀の限界』より一部を抜粋・再編集し、円安が若者の夢をどう閉ざしているのか、そして日本の将来を担う人材育成にどんな深刻な影響を与えているのかを、多面的に読み解いていきます。 >円安で、日本人が留学できない >2024年の夏頃、円安のために留学が困難になっているという報道が相次いだ。 >「円安が怖い」とか、「留学が怖い」という声があがった。 >日本から海外への留学生は、諸外国と比べてもともと少ないのだが、それがさらに少なくなってしまう危険がある。 >そして、留学できるのは、ごく一部の裕福な家庭に生まれた人だけの特権になってしまう危険がある。 >海外で学びたいと希望する日本の若者は、世界中から見放されたような気がするだろう。 >いや、気がするのではなく、実際にそうなってしまったのだ。 >円安はさまざまな面で日本社会に深刻な影響を与えているが、留学費用に対する影響は、最も深刻な問題の一つだ。 >私が最初にアメリカに留学したのは、1968年。 >固定為替レートの時代で、1ドルが360円だった。 >「歴史的な円安といっても、2024年に1ドル=160円になるかどうかだったから、60年代よりはまだまだ円高だ」という人がいるかもしれない。 >しかし、円の購買力で考えれば、その当時と大きな違いはない。 >では、60年代における日本からアメリカへの留学生は、どんな生活をしていたか? >その当時勤務していた大蔵省での私の初任給は、月1万8000円程度だった。 >その後増えて、留学した時点では、月2万3000円程度になっていた。 >ところが、留学先であるカリフォルニア大学ロサンジェルス校の周辺で、最も安いアパートの賃料が、月額100ドルだった。 >円に換算すれば3万6000円で、月給の1.56倍。 >Studioというワンルームで、かなり広かったし、シャワーがあった。 >台所は隣部屋と共同利用だが、熱湯が出た。 >シャワーさえあれば台所で湯が出なくてもいいと思ったのだが(その頃の日本では、湯が出ない家庭が普通だった)、そのようなアパートはなかった。 >そして冷暖房完備(日本では、一般の住宅に冷房は普及していなかった)。 >これ以下のグレードのアパートは存在しないのだ。 >カリフォルニア大学の周辺はウエストウッドという高級住宅地で、アメリカでも最も家賃が高い地域の一つなのだが、それにしても高い。 >学費は奨学金でカバーできたが、食費などの生活費がかかる。 >日本では、初めて買った車を通勤に使っていたが、アメリカではとても買えない。 >ロサンジェルスに住んで車を持っていないとは、通学以外には、バスを乗り継いで大変な苦労をしないと、どこにも行けないことを意味する。 >ダウンタウンの商店には、眼もくらむような豪華な商品が並んでいた。 >いまは1960年代とあまり変わらない状態 >いま、アメリカのアパートの家賃はどのくらいだろうか? >ウエストウッド地区のStudioで検索してみると、月2000ドル程度だ。 >当時の20倍になっている。 >1ドル=155円で換算すると、31万円だ。 >一方、日本の公務員の給与は、当時の10倍程度だ。 >だから、円でいうと、ウエストウッドの家賃は、給与の約1.35倍だ。 >私の体験よりは若干改善されてはいるものの、大差はない。 >つまり、いまアメリカに留学すると、60年代に私が経験したようなみじめな生活を強いられることになる。 >これを「購買力」という概念で述べれば、つぎのとおりだ。 >アメリカの物価・家賃が、当時と比べて20倍、日本の賃金が10倍になった。 >だから、購買力を当時と同じに保つには、1ドル=180円になればよい。 >実際には160円程度だから、現在の円の購買力は、1960年代末に比べて、1割程度は高い。 >ただ、「1割程度しか高くなっていない」というほうが正確だ。 >また、ここでは家賃と公務員の給与という2つの価格だけを比較したのだが、もっと広汎な価格データを用いれば、結果は違ってくるだろう。 >日本の留学生数は2004年をピークに、その後は減少 >日本人の海外留学生(主として、長期留学生)数は、1980年代には1万人台だった。1990年代に急増し、2004年に8万人を突破して、最高になった。 >しかし、その後、日本経済の衰退とともに減少し、2009年頃からは、5万〜6万人程度と、2004年頃の63〜75%程度の水準にまで減少している(文部科学省「外国人留学生在籍状況調査」及び「日本人の海外留学者数」等について。2024年5月)。 >これは、20歳台の人口が減ったためでもある(注)。 >ただ、それだけでは説明できない。 >そして、コロナ禍で4万人台に減少した。 >2021年には4万1612人で、最も多かった時代の約半分になっている。 >円安が進むと、減少傾向に拍車がかかるだろう。 >(注)2020年の人口ピラミッドを見ると、40歳台後半では1歳当たり人口(男女計)が197万人程度であるのに対して、20歳台後半では128万人程度と、6割5分程度に減少している。 >本文で述べたように、2004年頃からコロナ直前までの期間の留学生数の減少率は、これよりかなり大きい。 >留学問題についてのアメリカの調査・研究機関であるInstitute of International Educationが公表するOpen Doorsという資料に、アメリカへの留学生数の国別の数字がある。 >気になるのは、日本と韓国の比較だ。 >2022年の数字を見ると、日本が1万3447人に対して、韓国は4万9755人と、3.7倍だ。 >人口一人当たりで見れば、差はもっと大きくなる。 >韓国の国内には質の高い大学がないから留学するのか? >まったく逆だ。 >世界の大学ランキングがいくつか作られているが、上位100位までに入る大学数は、日本より韓国のほうが多い。
外国は日本よりも教育熱心ですからね。
>日本人の学生の多くは、大学を卒業してからは勉強しようとしないから、こうしたことになる。
我が国においては、勉強は子供のするものですからね。我が国では大人は勉強しない。
>韓国の目覚ましい経済発展の背後に、人的能力の向上があることは間違いない。 >それが、このような差に表れている。
そうですね。我が国には人手不足の話は幾らでもあるが、頭脳不足の話はない。我が国には天下の秀才が揃っているからでしょうね。 天然資源に恵まれないわが国は、人作りに力を入れると良いのですがね。
>企業が専門知識を評価するかどうかが基本的問題 >留学すれば、国際感覚が身につくと言われる。 >しかし、結果としてそうなるのであって、国際感覚を身につけるのが留学の目的ではない。 >国際感覚は留学以外の方法によって、いくらでも身につけることができる。 >だから、海外生活の体験をしたいとか、外国語の勉強のために留学するのは、時間の無駄だ。 >多額の費用と時間を使って留学するのだから、本格的に勉強すべきだ。 >言うまでもないことだが、留学の目的は、専門分野の知識を学ぶことだ。 >できれば、大学院に留学する。 >そして、学位の取得を目指すべきだ。 >修士号は1年間で取れる。 >だから、日本で取得するより、時間を節約できる。 >しかし、これに関して最も大きな問題は、本格的に勉強して学位をとっても、日本の企業は、それを評価してくれないことだ。
そうですね。日本人は無哲学で能天気ですから企業が学位を評価することはありませんね。
>給与面で同年齢の人たちと差がつくわけでもない。 >だから、体験留学が多くなって、本格的な留学にならない。
そうですね。
>円安になったいまこそ、留学に関するこうした本質的問題を考え直すべきだ。
そうですね。
子供には現実 (事実) ばかりがあって非現実(哲学・考え) がない。 英米流の高等教育は子供に哲学を獲得させるための教育である。 英米流の高等教育は子供を大人にする為の教育である。 子供が思春期になって、言語能力が飛躍的に増大するのを待って高等教育が行われる。
英語の文法には時制 (tense) というものがあって独立した非現実の三世界を表現することができる。 未来時制の構文を使えば自己の意思を表すこともできるようになる。 自己の意思を表すと加害者意識も経験することになる。 それが高じて罪の意識も理解できるようになる。罪の告白も可能になり入信する人もいる。 深い反省にも陥ることもあるので原因の究明が行われる。 事故の原因究明がうやむやにはできない様な心構えになる。
魂の救済を必要とする人も出て来る。 贖罪のための宗教 (キリスト教) も重要になる。 こうした過程を経て浅薄な人間が思慮深い人間に変身する。 だからどこの国でも高等教育に力を入れることになる。
哲学は非現実 (考え) の内容であるから、思考を停止している日本人には縁がない。 日本語は現実の内容だけを話す言語である。写生画の言語であるとも言われている。 日本式の判断だと見ることのできる内容は本当の事である。見ることのできない内容は嘘である。 だから現実の言葉 (日本語) を話す人が非現実を語る学習をすると常に失敗する。 嘘ばかりついていては学習に力が入らない。だからわが国は英米流の高等教育の導入に失敗した。何処の国も日本に我が子の高等教育の成果を期待する親はいない。
今の地球はアングロ・サクソンの支配体制にある。哲学が相手を引き付けて人々の尊敬を得る。アフリカ系米国人はアメリカの大統領になった。インド系英国人は英国の首相になっていた。これらは高等教育の賜物である。インド人は印欧語族であるからアングロ・サクソンと相性が良い。
当の日本人の若者はいまなお序列競争にうつつを抜かしていて、教育内容の吟味などする余地はない。 難関出身者が序列社会で優位に立つことばかりを気にしている大型の子供たちである。 世界に対する注意力不足で井の中の蛙になっていて、国際取引で印欧語族を取引相手にして苦戦を強いられることになる。
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