昨日は祝日でありながら授業実施日だったので、午後から関西学院大学神戸三田キャンパスに。前半11グループ、後半10グループの2回にわけて実施した「情報化社会と人間」のプロジェクト最終発表のプレゼンテーションを行いました。伊丹高校の畑井先生、南武庫之荘中学の山下先生、三菱電機三田製作所の元副所長の八木さん、そして伊丹高校の情報科の授業で「いたみ共育プロジェクト」を経験した1年生女子ふたりと先輩OGをゲストに迎えて進行しました。 前半の発表では、「これが関学生か!」と怒りがこみ上げるような受講態度の学生が目立ってがっかりしましたが、昨日は驚くほど改善されていて、メモをとりながらしっかりとプレゼンに聴き入っている姿も多数、大変嬉しく思いました。昨年まで中学生だった女の子たちの存在が刺激になっていたのかも知れません。 すべてのグループが発表を終えたあと、彼女たちに大学生のプレゼンに対するコメントを求めました。普段から高校の授業で鍛えられていることもあって、データの使い方やアンケートの活用、そして論理の組み立てなど学んだことをきちんと伝えた上で、改善点なども的確に指摘してくれました。おそらく多くの学生が、その態度と考察に驚きを隠せなかったものと思います。 クリティカル・シンキング(批判的思考)とは、情報や他人の結論を「ただ否定する」のではなく、結論を支える根拠に対して「本当にそうなのだろうか?」と疑問を投げかけ、最終的には自分の頭で判断する習慣のことです。彼女たちは主に情報科の授業やプロジェクトを通して、批判的な思考ができるトレーニングを重ねて、物事をより深く考えることに馴れていたのです。 大学の授業は、(とくに大教室の場合)どうしても講義主体でクラスに閉鎖的になりやすくなります。「情報化社会と人間」では、アクティブ・ラーニングやプロジェクト・ベースド・ラーニングなどに取り組みながら、論理的な思考と批判的な思考を育む刺激として、外部の専門的人材の支援と交流を進めてきました。この成果は、すぐに可視化されるものではありませんが、学生たちが学究活動や社会人としての生活において、きっとプラスになると確信しています。 半期のクラスもいよいよ残るは、授業1回と個人レポートとグループ論文となりました。最後の授業(1月6日)は13回のまとめとして「健全な情報社会を目指して」というテーマで「白熱教室」をやりたいと考えています。目標にしている論理的かつ批判的思考がどれだけ身についているか、ディスカッションの展開が楽しみです。 【グループ名とプロジェクトテーマ】 01. team ネット詐欺 「ネット詐欺の現状と対策~ネット通販・オークションを利用した詐欺から身を守るために~」」 02. 5 「マイナンバー制度に潜む闇」 03. ちーむネット依存 「スマートフォンの及ぼす大学生への影響」 04. IoTとビックデータを使う未来 「IoTとビックデータを使う未来」 05. ネット犯罪を減らし隊 「ネットで出会う危険性~ネットでの出会いの良し悪し~」 06. インタベート 「情報化社会におけるプライバシー侵害の問題について」 07. スパイウェアとセキュリティ 「アドウェア・マルウェアの感染調査と各方面の責任の是非~有害ソフトウェアにかかってしまうのは本当に自己責任?~」 08. international Team 「ネットいじめとその対策」 09. 第93特務部隊 「ネットいじめに対する意識と未然に防ぐ手段」 10. 個人情報の取り扱いーズ 「個人情報の取り扱い~漏洩された情報を守るために~」 11. サイバー犯罪集団 「サイバー犯罪の現状と未来」 12. 通信端末 『通信端末の普及による弊害』 13. ICT(仮) 『ICTを用いた学校教育による学習の効率化』 14. E-ぐる~ぷ 『学校でのeラーニング完全導入に向けて~問題点と解決策~』 15. SPIRITS 『バーチャルと現実のコミュニケーション問題』 16. SOU~Social of Universe~ 『SNSの2つの顔』 17. コピーライツ 『著作権の範囲とその利用について』 18. Net Scam 『ワンクリック詐欺への対応策とは』 19. サクラ 『インターネットの出会いと犯罪』 20. M.O.B. 『ネット通販~更なる発展においての課題とは~』 21. 将来計画 『よりよいネットワーク社会を目指して‐実践型コミュニケーション教育を用いた倫理観の向上‐』 |