昨日の相撲結果の新聞を読んでいて ひとつの記事に目が止まった。「稀勢の里は優勝が決定したにも拘わらず いつも通りの表情。呼吸をかみ殺し、口は固く閉じたまま。普段と変わらぬ姿がそこにあった」と。 兄弟子の西岩親方の話によると それは、稀勢の里を育てた「おしん横綱」と呼ばれた元横綱隆の里の方針だった。 『苦しくても、痛くても、そんな格好はするな。うれしいときも喜ぶな。それが侍の心意気。』 稀勢の里は、亡くなった師匠の教えを守り続けているのだ。 師匠のもうひとつの口癖が『弱いからけがをする』だった。 稀勢の里は、初土俵以来、休場は不戦敗一日しかない。『やせがまんしてでも、それを見せないのが力士』 師匠の言葉が30歳の大関の目指す力士像を支えている。(朝日・1/22) この記事を読んだとき、時には、太々しく見え、でも淡々と相撲をとる稀勢の里のことが こころの霧が晴れるように理解できた。 今日の白鵬との取組に、稀勢の里の鬼気迫る気迫と意地を見た。土俵際でのあの粘り腰は、凄かった! 久しぶりに 「相撲道」を実践できる日本人横綱が誕生しそうだ。本当にうれしい。 |