壺生けは形が定まりにくくて難しい。
でも壺と一体になるととても魅力的。
「美の壺」では、花人として独特の境地を開く 川瀨敏郎が 大小さまざまな「古信楽」の器と対峙して 野山の花を活ける。 「大壺(室町)は、“冷え枯れた美” を醸し出す一品。 火色と焦げのコントラストが美しい。 「心の目」で じっと 大壺を みつめる川瀨。 山から摘んできた草木と 熟れたザクロに赤いツタをそえて 晩秋の気配が壺からあふれでるような作品が 生まれた。 鬼桶には、寒菊。大河のような自然釉の流れが、冬のしじまに りんとたたずむ寒菊を 包み込む。 小ぶりな踞は、壁掛け。季節の移ろいを 小さな壺が受け止める。 力強さがみなぎる大甕(室町), 夏 美しく咲き誇った蓮の花、その枯れ姿を 琵琶湖を思わせる葦が囲う水辺の風景、 命の終わりの静謐な空気が漂う。 この大甕が内包している力があるからこそ これだけの大きい花の命を受け止めてくれる。 自然のはかなさを包む 大きな力 その 大甕は まさに 大地そのもの。 器と花の一体感。古信楽は。花を呼ぶ器。」 古信楽と 活けた花との一体感を 観るものに伝える素敵なナレーション。 川瀨敏郎の 研ぎ澄まされた感性と それを伝えるナレーションの美しさに 感動してしまいました。 少し 省略・要約したりして 書き換えた部分がありますが、 雰囲気を伝えたくて 書き写しました。 (写真は、上野が TV画面を撮影) ①大壺 ② 踞(うずくまる) ③ 川瀨敏郎 |