“天衣無縫の旅の画家“ というタイトルがついた京博の池大雅展、土曜日は、小林忠さん(岡田美術館館長)の講演もあるので 興味を引かれて 行ってみることにしました。 「南画の大成者」と言われるようになる経緯、それを下敷きにして独自の画風を確立。彼を大きく成長させたのは、日本各地への旅の体験。そして 晩年は、円山公園近くの家でのきままな暮らし。そんな彼の人生の回顧展ともいうべき展示内容で彼の代表作が一挙に集められていました。 南画の大成者といわれる大雅ですが、どうして“天衣無縫”といわれるのかと言う疑問を胸に 彼の作品を見て回りました。私の結論は、好奇心が強く、新しもの好きの人でなかったかということです。そういう目でみると 彼の作品の変遷(絵によって タッチがかなり違うこと)も理解できます。 若い頃、指墨(しぼく)画にはまったこと、(五百羅漢図)粗いタッチの岩肌(龍山勝会図)、印象派の先取りといわれる点描画(瀟湘概図屏風)、尾形光琳の梅図を思わせる川の流れ(嵐峡泛査図屏風)、ヨーロッパの遠近法に学んだ浅間山真景図(空気遠近法)など 「これは 面白い!」と思ったら すぐに 実践してみたくなる人だったのでしょうか・・。 書道家の紫舟さんが、番組(日美)の中で 彼のことを “型に学び、型を破る。そこに彼独自のオリジナリティを見いだし、誰もみたことないものをめざした人“と 話していましたが、作品を見終わった今、それは 実に的を射たコメントだと思いました。大雅と同じ書道家である紫舟さんだからこそ 見える部分があるのだなと感心しました。 写真① トラりん(京博キャラ)が来ていました。彼は、光琳の竹虎図のあのトラのモチーフだそうです。(知らなかったわ!) ② 指墨図 ・・五百羅漢図(萬福寺所蔵)・・指で描く。 ③ 嵐峡泛査図屏風 (光琳を意識) |