この日のTenは、京アニがなぜ評価が高いのかを 分析していて とてもよく理解できました。私なりに まとめてみます。 ◎ 「空気系」(欧米では「Slice of Life」と言われる。)に長けている。 ・・題材は特別なものでなく、何でもない日常生活(学生生活)を描き、若者たちの気持ちを代弁してくれる。(涼宮ハルヒの憂鬱シリーズ) ◎ 京アニの凄さは、細部に宿る。(丁寧な作り方) ・瞳・涙・・瞳のアップが多く、瞳の中にいろいろな作りこみ。流れ落ちる涙の形や涙が流れる方向に感情が読み取れる。 ・・さりげない仕草(振り向き)・・1秒ですむシーンを3秒もかけて 手間を惜しむことなく 細かく作りこむ。 ちょっとした表情の違いを4コマで表現。 ・丁寧な背景画・・この背景で写真を撮りたいと思わせてくれる。→ 聖地巡礼のはしり。(たまこまーけっと) ◎ アニメーターファースト(「京アニの奇跡」といわれている。) ブラック産業といわれたアニメ業界。徒弟性で締め切りが近づくと 長時間、描き続けるのがあたりまえ。アニメ産業を一流企業にするには、これではだめと、労働条件の改善を目指す。 8時出勤で5時には、仕事を終えることを徹底させる。託児所もつくり、女性も安心して働けるようにした。 普通のアニメ会社は、正社員の比率が4,5% 京アニは、ほとんどが正社員。月1回のノー残業デー。育児・介護中の短時間勤務など 生活の不安なく アニメ制作に集中できる環境を整えてきた。 ◎ 自前で職人育て 「プロ養成塾」を作り、運営。自前で職人を育て、正社員にする。だから、これから花開く20代~30代の若者が多く働いていた。人づくりがまずあって、その上でいい作品を世にだすことを理念としている。 <こうしたシステムをつくった背景> アニメ会社は、全国で622社。そのうちの 87%・542社が東京に集中している。各作業が分業化しているので 東京に集中せざるを得ないのだ。京都には、京アニとあと一つの二社しかない。京アニ独自で人材を育てる必要があった。京アニは、制作の分業過程が 会社の中ですべて完結している。ひとりひとりの技が 作品に投影(反映)される環境であった。 京都だからこその奇跡、業界の過疎地であったからこそ 独自の画風作風がうまれた。 |