蔡政権ですごいなと思ったのは、若い世代を政務委員(大臣に相当)に登用していること。 "天才プログラマー"「世界の頭脳100」に選出される。)として世界的に有名な 38歳のオードリー・タン(唐鳳氏)だ。台湾が誇る天才が、感染症対策でも活躍している。日本にも こんなブレーンがいてくれたらと思う。 <マスク対策> 日本と同じく台湾でも 1月後半から マスク不足が深刻化していた。まずは輸出や持ち出し、転売が禁止され、2月6日にはマスクの購入が実名制になり、7日間で2枚しか買えないようにした。 厳しい供給規制に反発がおきる可能性もあったが、タン氏は衛生福利部(保健省)中央健康保険署と協力して、台湾国内の薬局にあるマスクの在庫データをインターネット上に公開。 すると、民間のITエンジニアがそのデータを地図上に落とし込み、在庫状況がひと目でわかるアプリを開発して無償配布した。これを 数日というわずかな時間で成し遂げた。 実際マップを見ると台湾中の薬局情報が マップ上に表示され、三角形のアイコンをクリックすると、現時点での成人用マスクと子供用マスクの在庫数が表示される。購入希望者は、在庫のある薬局を無駄なく回れる。 その他にも iPhone の Siriに聞くだけで一番近い在庫ありの薬局を教えてくれるなど 台湾のエンジニアたちが 無償で開発したプログラムが大活躍しているという。 それだけではない。緊急時に発生するデマ情報の拡散を防ぐため、ラインなどの通信アプリを通じて間違った情報を信じないよう注意するメールを配信。 また、新型コロナウイルスに感染しやすいタクシー運転手やバス運転手にマスクが優先的に届くように求める情報を発信すると、フェイスブック上では、本当に必要な人にマスクを譲ろうという声があふれた。 台湾の新型コロナウイルス発生状況のホームページはグラフや地図を効果的に使用していて、どの地域にどれくらいの感染者が出たかわかりやすい。 台湾にも寄港した国際クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗客については、下船してから訪れた場所をすべて公開した。こういったテクノロジーを使用した危機管理に、米国をはじめ世界から注目が集まっている。 (AERA dot.編集部・西岡千史/ 抜粋・要約上野) (source: 藥局口罩採購地圖、口罩供需資訊平台、 Kouikusen) |