近代美術館で先日から始まりました。松園展というと『人生の花』や『舞支度』など京都の美術館で所蔵されてる作品も多いため私も何回か観ていますが、入ったとたん、松園61歳の大作、『序の舞』がありました。東京芸大所蔵のため京都ではめったに観られないとか私も初めて観ました。イヤホンガイドの原田美枝子さんによると、始めモデルである息子の嫁に留袖を着せてみましたが、振りに大胆さがないとのことで、花嫁衣装に高島田街で最も評判の美容師に支度をさせたといいます。この大作を描いて『私は女性ばかりを描いてきたが、綺麗に書こうと思った事はただの一度も
ない』の言葉が残っているそうです。それは画家で生きていこうと決心した20代の私も何回か観ている『人生の花』の時も原田さんはこのようにはなされましたが、近所に結婚式の手伝いに行った時のスケッチに描いた作品に女性の恥じらいと不安そして、妻になる歓びが描かれていると専門家の評があるそうです。松園は能や狂言をも学び絵画に生かしたといいます。心を病んだ女性、恨みや妬みのある女など『花かたみ』や『待月』でわかりました。それは、早世の夫に代わり錦の近くで茶屋をあきなった母が親戚の反対にも関わらず芸大に入れたこと母の死後の昭和初期の作品にその感謝が生かされていました。そして、死の昭和24年、『私の生涯はおなご遊びのようなものでした』といわしめたと原田さんは結ばれました。その伝統は孫で芸術院会員の淳之氏にしっかり受け継がれていると思いました。なお、会期は12月12日までですが、『序の舞』は11月23日に撤去されるそうです。 |