パリの三越で昨年5月,個展が開かれたのを記念して東京から始まったこの催し各地を廻って最後に在住の、京都大丸に24日まで開かれています。昭和55年、京都芸術大学院を卒業した森田さん、日本の四季を彩る花鳥画や京都の雅を彩る舞妓など50余点が展示されていました。その中には3年ほど前金閣寺解体修理の時依頼された、杉戸絵の四季の絵の菊や椿の作品を、見ているうちにいつしか、岡山県笠岡市の小野竹喬画伯の生誕の地で、画伯の孫弟子に当たるNさんを思い出していました。彼は40年ほど前、同じ信仰でしりあいましたが、彼は私より重度の脳性で、生み出す作品は、50号や100号から人物などの小品まで、私も2度ほど岡山で開かれた彼の個展に行きましたが、震えるあの手で菊や朝顔など微妙な線を描けるのかと来館者の感動を与えていました。そして、あ茶屋開店中は12月に「お店のお客さんにも見てほしい」と干支の色紙が送ってもらったのでいつの間にか12枚たまりました。現在、身障者福祉寮で静かにのんびりくらしていますが、NHkのハート展に出品したと可愛い看護師さんがモデルだと葉書にコピーして送ってくれます。トークショーで森田さんが言われた『画家は作品を書き上げたときが完成ではなく、1人でも多くのひとに見られてようやく完成するのです』が特に印象に残りました。 |