京都市美術館に収蔵する作品を公開する作品展、今回は『模様をめぐって』、昨日昼食後、寒さが残る2月であり、あまり期待しないで行ってみました。入り口で、「今、始まったところなんですぅ、いってみられませんか」。ふと見ると、最終の部屋で、学芸員らしい腕章を巻いた男女に多くの人たちが耳を傾ける光景が・・・私も、横の部屋に行ってみました。そこは、最終コーナー今回特別展示される沼田一雅の陶彫の部屋でした。沼田一雅、陶彫、『広辞苑』さえ載っていないこの言葉、沼田は明治24年生まれ、若き日にフランスのセーブル陶磁器製造所で石膏型を用いた陶彫を学び帰国後、東京美術学校の教授になり、その後、京都で陶彫の指導にあたったといいます。幸運にも昨日、沼田の元で2年間修行したお弟子さんがおられ「先生は本当に口下手で『お早うございます』『お昼に行ってきます』『失礼します』もいつも、『おぅ』ぐらいだったけれど、実際仕事を見せることで陶彫を教えてもらった」と。又、沼田のお孫さんも実際の石膏型を持ってきて苦労話を。又、京都で陶芸の仕事をされてる87歳の長老もおられ普通の陶器と違い陶彫は火の温度ですぐに曲がったりへこんだり完成品を生み出すのに数え切れない失敗の連続と話されました。本当に贅沢な1時間の集いも終わり、最初の模様の作品を見終わり、京都にはほんの僅かしかないので生まれ故郷の福井から来たという陶彫をじっくり見ているとさっきの先生方の何人かがおられたので自然に「有難うございました」と頭を下げる私がいました。3月25日までの第2期コレクション展、陶彫だけでも値打ちですよ。
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