こはたノたかしさん
画家・木島櫻谷(このしまおうこく)のことを教えて頂きありがとうございます。
こはたノたかしさんの日記を読んで、非常に興味が湧いてきて、ネットで調べると
凄い波瀾の生涯だったと初めて知りました。
漱石に酷評された「寒月」見ました。
それにしても漱石がこれほどまでネガテイブな評論とするとは・・・
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「木島櫻谷氏は去年沢山の鹿を並べて二等賞を取った人である。あの鹿は色といい眼付といい、今思い出しても気持ち悪くなる鹿である。今年の「寒月」も不愉快な点に於いては決してあの鹿に劣るまいと思う。屏風に月と竹と夫から狐だかなんだかの動物が一匹いる。其月は寒いでしょうと云っている。竹は夜でしょうと云っている。所が動物はいえ昼間ですと答えている。兎に角屏風にするよりも写真屋の背景にした方が適当な絵である。」
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漱石がこれほどまでに酷評した背景は分からないが、師匠・今尾景年が係る画壇の
確執の一端がWikipedeaに述べられていて興味深い。
昨今の日展審査の問題点が、当時よりあったことに驚きを感じます。
木島櫻谷はしかし、晩年徐々に精神を病み、昭和13年11月13日枚方近くで京阪電車に轢かれ非業の死を遂げたとのこと。享年62。
稀代の芸術家の名作の裏にはすさまじい自己との葛藤があったことを知ることが出来
ます。
こはたノたかしさん、貴重な美術情報をありがとうございました。